OGI一夜
"コイノマホウ"





戻る
「――はは。大野さんが、あんまりエッチな声、出すから」
「ええ?そんなこと、ない、ですよ?」
「ナニ言ってんの――ほら」
「ひぁん!」
「まだ俺……触ってる、だけなのに」
「あ――んぁ!ん、ふ、っ」
「俺、初めてでも、判るよ、大野さん――」

 斑目さんの右手がセリフとともに、まだ触れていなかった……ずっともったいぶっていた場所に届きます。

「きゃふッ」
「ここ……もう、……すごく……」

 ヘアをかき分けてスリットに届いた指は、ためらいなくわたしの中に入り込みました。
「――熱くて、とろとろで――」
「ぅ……っ……んっ」
「吸い付いて、くる」
「っく――ッ」

わたしの体に電気が走ります。痙攣する手が反射的に彼の背中を抱きすくめます。

「……?大野、さん?」
「……っふ、う」

 心電図の針が急にはね上がったみたいな感じ。体の中を流れる血液が、倍にもなったように体温が上がります。斑目さんにも異変を勘づかれてしまいました。

「大野さん……もしかして」
「ゃ……」
「イッちゃった、の?」
「……言わないで、ください、よぅ」
「ウワ……初めて見た……あたりまえか」

 あまりの恥ずかしさに、かえって意識がはっきりしてしまいました。わたしは三次元の女の子の体を知らない斑目さんに、指だけでのぼりつめさせられてしまったのです。

「うぅ。なんか、くやしいです。斑目さんに気持ちよくさせられちゃうなんて」
「あ、でも俺、なんか優越感」
「んもー。よいっ――」
「うわっ?」
「しょ、っと」

 わたしは彼の胴を抱く腕に力を入れて、脚で反動をつけて勢いよく横に転がりました。円形ベッドって便利です。うまく角度をつければ転がりまわってもおっこちません。
 斑目さんを組み敷くと、次はゆっくりと自分の体をもぞもぞ引き下ろします。

「な、何?」
「今度はわたしが斑目さんのこと、気持ちよくしてあげますね」

 身を起こして座った斑目さんの腰元に、わたしは床に膝立ちで体をぴったり寄せました。マントみたいにひらひらしていたバスローブをようやく脱ぎ、カーペットに落とします。
 自分の胸を両手で持ち上げ、彼自身のすぐそばでぷるんぷるんと揺らしてみせました。

「斑目さん、これ、してみません?こ・れ」
「そ……それは、噂に聞く『パイズリ』?」
「ふふ」

 彼のは今にも爆発しそうに屹立しています。それを、両側からそっと包み込みました。わたしの胸ごと握りこむようにして支えながら、ゆっくりと体を上下に動かします。

「気持ち、いいですか?斑目さん」
「う……んんっ、こ、これは存外……っ」

 これは男の人のを胸でこする事が重要なのではありません。わたしの多くはない経験からの感想ですが、女の子の体が自分の下半身に密着していることや、男の人にとって奉仕されている実感が湧いてくることの方がより快感を高めるようなのです。
 たとえばこうしていると、わたしの胸は斑目さんの股間に埋もれるようにして動いています。彼の内腿やヘアや、おへそをわたしの胸が刺激してゆくのです。それに……。
 ぺろっ。
「っう!」

 胸の谷間からてらてら光る頭を覗かせているそれを、わたしは舌を伸ばして舐め上げます。

「斑目さんの、おっきいですね。入るかしら……あむ」


戻る