『kawawarawa』

11、
「 ・ ・ ・ ・ ・ 」
「、 、 、 、 、 、」

 

「  ああ・・ 落ちてきたか。 」
12、
「おばちゃんこんにちは、コウジくんどう?」
「あら、カナちゃんね。こんな雨ん中、ありがとうね。」
「熱さがった?」
「うんにゃぁ。それより早く帰えらんとあぶないよ。
 川柱さんの居らすき、水に浸かることはなかろうけど。」
13、
「下の郷に水が来たちて。あたしは加勢に行って来るき。
 カナちゃんはここに居んなさい。ここなら大丈夫。
 コウジを看よってやってね。」
14、



「    待ってたよ 」
15、


「お前の血筋はみな昔から知ってるよ。

 お前もほんの先までは赤子だったのに。



 吾が何だったのか、もう思い出せん。
 


 の。
 また  また来い。

 の・・・   」
16、





「       ・・・厭 」
17、
「そこにおるのはカナエか?
 どうした?」

「・・・ハジメさん・・・」
18、
「コウちゃん、、、」
「きのうハジメ兄が帰省ってきた。
 そしてオレに商科の大学に行って、自分を手伝えちいう。
 そいき、むこうの学校に編入させるち。」
「、、、え?」
「うちのもんな、ハジメ兄には世話を受けよるき逆らえん。」
「、、、あ」
「卒業したら、向こうに行くき。」
「、、、コウちゃんごめん。」
19、
「なぁコウジ。これから時代はどんどん変わる。
 捨てて得るこつを学ばないけんぞ。」



「・・・オレにはようとわからん・・・」
20、
「時には長いも短いもないのだ。
 思い続ければいつまでもあり、忘れれば消ゆる。
 それだけのこと。
 案ずるな。
 お前が帰るこの山も川も吾が伏せ置くからな。」



「オレは・・・行きたくない・・・」
21、
「そんな顔をするな。
 さて。
 これを持っていけ。
 思い出すくらいの足しにはなる。」


「・・・」



「  早う  去ね。  」
22、
「うぇぅぅ、、コウちゃん、、
 ばかちん、、  ばかちん、、  

 ひゃっ! 冷た 」

「やかましいの。
 ナマズの餌にするぞ。」

「あんたなんか怖ぉないきね!
 すかん!!

 ぐすっ・・・」






「       ・・ばかちん 」 


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