『kawawarawa』

23、



「   カナエ・・? 」




「   おかえんなさい。 」
24、
「変わったな。」
「炭坑が大きくなって賑やかになったやろ。」
「・・・いや、そうやなくて・・・。」
「ねぇ、あっちでモガとかと遊んだりすると?」
「な、なんでそんなコツ・・・」
「以前にハジメさんが自慢しよったもん。いやらしぃっちゃき。」
「なんがか・・・」
「・・・」
「・・・」
「コウちゃん・・・・・川には行かんで。」
「!   カナエ、お前・・。」
「もう、待つとは いや。」
25、
26、
「 今度は いつ? 」
「 がまんできんようになったら。 」
「 もう 知らん。 
          待っちょるよ・・。」
27、
「おい。さっきコウちゃんから手紙が届いたぞ。よかろ?
 読んじゃるき、聞き。
 え〜前略 勤労動員も大変でしょうが、お変わりは有りませんか。
 あはは、なんか堅いがぁ。
 まずは嬉しい報告です、と・・・
 ああ!コウちゃんが大学に通ったちよ!  よかった〜。
 んと、これからはより一層勉学に邁進・・・・
 大陸に向けての・・・挙国一致で云々かんぬんと・・・
 ふ〜ん
 最後になりましたが、はれて卒業でき、ハジメ兄様の会社に加わった暁には・・・
 ・・・
 暁には・・・        どうぞ 私の許に お出でください。
 ・・・
 ・・・
 ・・・
 ・・・今日は帰るね・・・。」
28、
「 郵便  郵便〜


  さて、今日はなんやろね。 」
29、
「 がく と   しゅつ へい ・ ・ ・ 」
30、
「 おかえんなさい 」
「 髪、 切ったつか。 」
「 うん。
  でも、 また伸ばすと。
  戦争が終わったらね、 また伸ばすとよ。 」
31、
「 大きくなったの。 」
「 まだ、子供あつかいか? 」
「 ふふ、子供ではなくなったお前が吾を見るのも、触るるのも、終いやもしれんの。 」
「 こげんぬくいとに   消えるち・・・?  」


「    ・・・忘れぬかぎり、消えはせん。 」
32、
「 の  体を冷やすと毒ぞ。 」

「 ん・・・わかっちょる。
  
  もうちょっと  」


   3  

戻る